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小笠原さんが立ち去って、崇はだらしなく椅子に寄りかかって座る。
「なあ、本当に結婚するの?」と聞くと、崇は驚いた顔をして、
「するよ。首尾よく進めば。」と言った。
「すごく、急なんだけど。」と顔を覗くと、
「しょうがないじゃん。好きになったんだから。」と笑った。
「運命のオンナって奴?」と聞くと、
「俺にだっていたって事だ。」とクスクス笑う。
「なるほどねえ。まだ、信じられないけど。」と言うと、
「会えばわかるよ。不機嫌な顔がキュートなんだ。」と楽しそうだ。
まあ、もう、それは見たけど。と心の中で思っておく。
「それにさ、ハルキの声にやられた。
もう、逃げられないって感じ。」と真剣な顔だ。
「なんだそれ?」と聞くと、
「必ず、俺のものにする。」と笑った。
いや、婚約したんだろ?
嫌な予感がする。
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