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神聖な香りが僧侶の通り道を流れ、止まった時間の中を、僧侶だけがスッと泳いでいくようだった。
厚めの赤い唇から少し溜息を漏らして、僧侶はテーブルへと座る。
品のよいカバンから分厚い本を取り出すと、ゆっくりと開いた。
その瞬間、冒険者達はふと我に返り、止められた時から開放される。
冒険者達がワッとテーブルへと一斉に押し寄せる。
最初にテーブルの席を勝ち取ったのは、スラッと背の高い赤髪。
美男子の遊び人だった。
「異世界のジャパンより転生して参りました!トキトです!よろしくぅっ!」
ここはアルバニスタより、遠く遠く、3つの海を越えたところにある片田舎。
トモリ村はモンスターから突然の急襲を受けていた。
村の脆い防壁は、筋骨隆々の☆4紫オークに一撃でぶち壊わされた。
音に驚き、慌てて武装して飛び出る、老いた村の戦士達。
剣を取り立ち向かうも、僅かのダメージも与えることができずに、オークの槍で次々と、容易くなぎ払われていく。
緊急を知らせる村の鐘が、けたたましく鳴り響く。
☆4紫オークを先頭にして、☆2、☆1の雑魚モンスターがどんどんと村に進入してくる。
「もう終わりだ…。」
「何故、こんな田舎に☆4モンスターが…。」
逃げ込んだ避難部屋で、村人達は絶望の言葉を口にする。
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