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3.勇者は仲間を求めて いざ大都会!導きの魔法陣b
扉を叩く音が聞こえる。
外からは鳥のさえずりが聞こえる。
勇者は1度手で顔をなでると、返事をした。
「お身体の調子はいかかがでしょうか?」
勇者は幾ばくか回復したMPで、自分に回復呪文を唱えた。
「ふむ。昨日の傷で体は痛むが、歩けない程ではない。」
勇者はゆっくりとベッドから起き上がり、身支度を整える。
「早速だが、聖なる力の出所を探りたい。」
勇者はそういうと、部屋を出て感覚を頼りに歩を進めた。
長老や周りの村人達も勇者へと続く。
何かに呼ばれるように、勇者は次第に歩みを速めていった。
そして村の外れ。周りの木よりひと際巨大な、古木の前で立ち止まった。
「ここだ…。」
勇者はゆっくりと木に近づくと、木の幹に手を当てる。
すると、勇者の足元に白い魔法陣が現れる。
「これは…。導きの転送魔法陣!」
「なんと…。神の魔法…。」
長老と村人達が驚きの声をあげる。
別れの挨拶をする間もなく、勇者は白い光に包まれ、そして消えた。
勇者が目を開けると、一面の青い海、行き交う船、船、船。
そこは貿易都市アルバ二スタ。
海と貿易の街。そして世界中の冒険者の集う場所。
風が潮の香りを運び、勇者のネコヒゲを揺らした。
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