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4.冒険者の酒場 美しすぎる僧侶
勇者は街に入る前に、地面に捨ててあった汚い布を顔へと纏い、目の位置に両穴を開け、口の位置にも息ができるよう穴を開けた。
体は丈夫な服※や、手袋※、靴※で覆い隠しており、猫だとばれることはない。
※「丈夫な服」防御力8、「手袋」防御力1、「靴」防御力1、素早さ1。
まず向かったのはレストラン。
修行中に襲ってきたモンスターを時折退治していたおかげで、いくらかゴールドが溜まっていた。
汚い布を顔に纏っているおかげで不審がられたが、お金を先に払うと、店の外で待つように言われた。暫くすると、横の路地まで料理を持ってきてくれた。
魚料理ばかりを頼み、ぺロリと平らげると、勇者は1度顔をなでて立ち上がり、冒険者の酒場を目指す。
街の所々にある看板で地図を確認し、ようやく酒場までたどり着いた。
酒場に入ると、一瞬顔を布で纏った奇妙な冒険者に視線が集中する。しかし、皆すぐに興味を失い、それぞれの仲間との談笑に戻った。
酒場は広い。200人ぐらいだろうか?冒険者で溢れかえっている。店の中をスタッフがジョッキを持って、慌ただしく走りまわっていた。
勇者はカウンターに着くと、バーテンに水を注文した。
バーテンは一瞬怪訝な顔をしたが、すぐに氷の入った水を差し出してくれた。
勇者が周りを見渡すと、酒場の一箇所に男が群がっている。
どうやらひとりの冒険者を仲間に誘っているようだ。
(強い仲間が必要だ。)
勇者はその輪に加わろうと、テーブルにグラスを置いた。
するとゴロツキ二人が勇者をはさみ込み、カウンターの席へと着いた。
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