第4章

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きっとこの恋をしている男というのも樋口自身なのだろう。 本当は早く帰ってひとりになりたいと思っていた。 けれどこうして静かで夜景の綺麗な場所に連れてきてもらえて、気持ちの整理が出来た気がする。 上手く進むかどうかはわからないけれど、私の気持ちは決まった。 それも苦手だった樋口のおかげで。 「よし、リフレッシュ出来たので帰りますよ」 「え、もう? 今から俺が矢野さん口説くところでしょ」 あからさまに冗談だとわかる態度の樋口が驚いたふりをする。 「なに言ってるんですか、明日遅刻しても知りませんよ」 .
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