第4章

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「遅刻したら正々堂々と矢野さんとふたりでいたって言うから」 「その誤解を与える言い方止めてください。ここに連れてきてもらったことは感謝してますけど、それとこれとは話が違います」 あらぬ噂を流されたら河野に叱られるばかりか桃子にも嫌味を言われかねない。 それに私はまだ誰かと新しい恋をする余裕などないのだから。 「残念。しょうがないから口説くのは次回に持ち越すよ」 「次回なんてありませんから」 「相変わらずつれないね」 冗談を言いながらまた車に乗り込んだ。 きっと今夜は泣かずに眠れそうな気がする。 .
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