第5章

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リビングに戻り、テレビでもつけようかとリモコンに手を伸ばす。 するとリモコンの横に置かれたスマホが光り出した。 電話の主は紫音。 慌てて手に取ったものの、電話に出る気にはなれなくてそのままテーブルに戻した。 しばらく呼び出し音が鳴り続け、留守電に切り替わる様子を見ていた。 少しの無言の後に小さな紫音の声。 「俺……。また連絡する」 たったそれだけのメッセージを残して電話は切れた。 急いで窓に近づいてカーテンの隙間から外を見ると、背を向けて帰っていく紫音の後ろ姿が小さく見えた。 .
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