第5章

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このままフェイドアウトするしかないのかもしれない。 顔を見たら、自分がどんな風になってしまうか想像も出来ない。 泣き崩れるのか、罵倒するのか、それともクールに別れを切り出すのか。 ただ、このまま関係を続けるという選択をしてはいけないことはわかっている。 「あ~、なにやってるんだろ」 ソファに深く腰を下ろしてため息を吐く。 この3年間が幻だったかのような気分だ。 「結婚も考えてたのにな……」 友達に急かされた影響がないとは言わないけれど、自分たちのタイミングもそろそろのような気がしていたのに。 ひと口飲んだビールが、やけに苦く感じてこれ以上飲むのを止めた。 .
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