第5章

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「それはありがとうございます」 主人という言葉に胸が痛むけれど、顔に出さないように笑顔を向けた。 先生のスタッフが準備した花を前に、AYAKO先生が活け始める。 いつにもましてダイナミックで、余裕を感じさせるアレンジに息を飲んだ。 これはAYAKO先生の心の余裕なのだと思い知る。 楽しそうに活ける姿はいきいきしていて、やはり勝てる気がしない。 「どうしたの、元気ないんじゃない?」 「そ、そうですか?」 ちらりと私の顔を見た先生の一言に動揺した。 .
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