第1章

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自分ではそんな自覚はないけれど、はたからはそう見えるということなのだろう。 大きなお世話だ。 上座に戻っていった新郎新婦に拍手を送り、気分転換に化粧室にと立ち上がったときだった。 司会のアナウンスが会場中に響いた。 「ただいまより、次の花嫁に新婦のブーケを贈るブーケプルズを行います。ぜひ次の花嫁候補の皆様、前にお集まりください」 周囲がざわつき、誰だ誰だと周りを見回している。 このタイミングで行われると知っていたなら化粧室になど立たなかった。 なぜか張り切って立ち上がった人のような印象を与えてしまっている。 「ほら、行ってきなさいよ」 「違うの。化粧室に行こうと思っただけよ」 「いいから、ほら。朋子も待ってるから」 .
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