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安心してエレベーターに乗り込み、12階のボタンを押す。
静かに上昇するエレベーターは途中で止まることもなく12階で止まった。
エレベーターを降りて角を曲がると玄関の前に人影が。
「藍子」
そう呼ぶのは誰でもない紫音だった。
通りで部屋の明かりが点いていないわけだ。
いないと思って安心していたけれど、部屋に入らずに玄関の前で待っていたとは恐れ入った。
今の私たちの間柄で、部屋に勝手に入らないだけの常識は持ち合わせていたのだろう。
私にとっては逆効果だったけれど。
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