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出来上がったコーヒーを入れるカップを出そうと振り返る。
先に紫音がふたりのお揃いのマグカップを用意していた。
お揃いのマグカップに躊躇したけれど、そこは譲れないとでも言うように頑なに差し出されて仕方なく受け取る。
本当は来客用のカップを使うつもりだったのに。
きっとそれを察知していたのだろう。
しかしカップにコーヒーを注ぐことは出来なかった。
後ろから抱きしめられ、紫音の温もりに包まれるとあまりの心地良さに抗う気持ちが消えてしまいそうになる。
「ごめん」
耳元で囁く言葉に涙が溢れた。
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