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「今は詳しく話せない、だけど藍子を放したくない」
「最低だよ、紫音。勝手すぎるよ」
「わかってる」
自分がこんな酷いことを言う男と付き合っていたのかと思うと、悲しいを通り越して絶望してしまいそうだ。
それでも心のどこかで、今は話せないだけで紫音にもなにか事情があると信じようとしている自分にも気付く。
結局簡単に決断など出来ない。
「私も最低だ……」
ちゃんと別れようと思っていたのに、それどころか抱きしめる腕を振り払うことも出来ない。
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