第5章

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「全部俺が悪い。藍子は悪くない」 コーヒーを飲むことなく抱きかかえられても、どうしても拒否出来なくて。 寝室に運ばれても紫音の瞳を見つめることしかできない。 やっぱりこの瞳が好きだと思ってしまう。 紫音の頬に伸ばした手を包み込む、大きなごつごつした手の感触。 いつもの紫音だ。 今だけは私だけのもの。 だけど、それも今日だけ。 もう2度としない。 そう心の中で呟いて目を閉じた。 .
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