第6章

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そばに紫音がいないことを確認してバスルームを出ると、私のバスローブが用意されていた。 今まで1度だってそんなことをしてくれたことはなかったのに。 「ずるいんだから……」 バスローブを羽織って髪を拭き、寝室を覗くとベッドに紫音がこちらに背中を向けて横たわっていた。 眠っているかどうかはわからない。 それでも心を鬼にして寝室のドアを閉めた。 もう紫音の横で眠ることはないと心に決めて。 時計は午前4時を指している。 起きるには早い時間だけれど、ソファで眠るのも違う気がする。 髪を乾かして静かに身支度をすると、手紙をテーブルに残して家を出た。 .
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