第6章

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「おはよう」 「おはようございます」 ふと前からジョギングしてきた人に挨拶を返した。 いつも走っているのだろう、ランニングウェアにキャップを被りサングラスをしている姿が様になっている。 「ちょっと、リアクション薄いな」 そう言われて目の前に立ち止まった人をよく見て驚いた。 サングラスを外したその人は、いつもと変わらない無邪気な笑顔を浮かべた樋口だった。 「樋口さん、こんなところでなにをしてるんですか?」 「それはこっちのセリフだよ。俺は毎日ここでジョギングしてるんだ。家もこの近くだし。君こそこんな時間にこんなところでなにしてるの」 .
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