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6階のボタンを押して、エレベーターの扉が開くのを待つ。
何度も深呼吸をして開いた扉を出ると、駆け出しそうな勢いで樋口の部屋を目指した。
震える指でインターホンを押す。
樋口に会ってなにをするかは決めていない。
ただ顔を見て1番最初に思い浮かんだことを言うつもりだ。
「藍子! すぐ開ける」
驚いた樋口がすぐに玄関のドアを開けた。
「橙吾、今すぐ私と結婚して!」
顔を出した樋口の胸に飛び込んだ。
「どうしたんだよ、急に」
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