第12章

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6階のボタンを押して、エレベーターの扉が開くのを待つ。 何度も深呼吸をして開いた扉を出ると、駆け出しそうな勢いで樋口の部屋を目指した。 震える指でインターホンを押す。 樋口に会ってなにをするかは決めていない。 ただ顔を見て1番最初に思い浮かんだことを言うつもりだ。 「藍子! すぐ開ける」 驚いた樋口がすぐに玄関のドアを開けた。 「橙吾、今すぐ私と結婚して!」 顔を出した樋口の胸に飛び込んだ。 「どうしたんだよ、急に」 .
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