第1章

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気にならないわけではないけれど、焦ってはいない。 結婚がしたくないのかと聞かれれば、そういうわけでもない。 ただ今の状態も割と満足している。 束縛されることもなく、仕事に専念できる。 紫音も仕事が忙しいらしく、半同棲のような生活だけれど毎日来るわけでもない。 「これでまた結婚が遠のくな……」 鏡に映る自分に呟いた。 それでも辛うじて、私が友達の結婚式に呼ばれる度にそれらしい話題にはなる。 ただこれでもう結婚する友達はいなくなった。 話題に上ることももうないだろう。 .
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