第1章

6/21
前へ
/349ページ
次へ
なんとも色気のない自分にため息が出た。 シャワーを浴びて寝室に戻ると、紫音はまだ気持ちよさそうに眠っていた。 出掛ける準備をして、ベッドサイドに座わり紫音の頬を撫でる。 「今日は遅くなるから」 「俺も今日は遅くなる。だから楽しんで来いよ」 うっすらと目を開けると紫音が起き上がった。 ようやく起きる気になったらしい。 引き寄せられて口づけを交わすと、またベッドに引き込まれないうちに腕から逃れた。 紙切れ1枚の制度に捕らわれず、私たちは今のままで十分幸せだった。 .
/349ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5106人が本棚に入れています
本棚に追加