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2週間目の夜
同僚BもAさん宅に到着しました。
深夜になると、やはりAさんは息苦しくて唸りだしました。同時に階段の下からドンドンと大きな音が響いてきました。Aさんは、部屋の隅で震えあがっています。やがて大きな音を出しながら何者かがトントントンと階段を一段ずつ上がってきました。
そして、ついに今日は階段を上がり切ってAさんの部屋の前で音は止まりました。
Aさんは怖さで顔面蒼白になっています。
「ガチャ」
鍵を掛けていたはずのAさん宅の玄関のドアが開きました。
Aさんは半狂乱になって何か喚きはじめています。Bさんも、この状況をどうしていいのか分からず立ち尽くしています。
すると、スーッと何やら黒い影が部屋の中に入ってきてAさんめがけて突進してきました。そしてAさんの首を締め始めました。Aさんはもがき苦しんでいます。
呆気に取られていたBさんは、我に返るとAさんを助ける為、得体のしれない黒い影をAさんから引き離そうとしました。しかし、物凄い力でなかなか引き離せません。冷静に
黒い影を見たBさんはゾッとしました。その影は血の気の引いた真っ青な鬼の形相の髪を振り乱した血だらけの女性でした。どう見てもこの世のものでは有りません。悪霊か。
しかし、ここで逃げればAさんの命が危ない。必死で、この悪霊をBさんは払いのけました。
すると悪霊は、スーッと跡形も無く消えてしまいましたが、その後もAさんは首を押さえて泡を吹いて苦しんでいます。
「このままでは、まずい。Aが死んでしまう。」
そう思ったBさんは救急車を呼びました。
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