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第四話 失意カフェ
某ボクシング漫画の、最終回で燃え尽きたボクサーの様になっている雄飛を尻目に
前山田は、教科書やノートをハンカチで拭きながら、カフェテラスの厨房の奥に持って行った。
「まぁ・・・俺が声をかけなければ・・・こんな災厄は起きなかったからなぁ・・・・」
落ち込んでいる雄飛の背中を軽く叩く。
「俺は、この大学で面白いことを研究している、面白研究部の前山田槙・・・政治経済学部の3年・・・よろしく」
雄飛は、何だかよく分からないが、握手する。
「遠目から見てね・・・・君は、かなり疲れている表情だったが、回りに鳩が沢山集まっていたので、まるで鷹匠ならぬ鳩匠見たいに見えてね・・・・その面白かった」
「それは良かったです・・・・僕は最悪ですが・・・・・」
遠くを見ながら呟く。
「まぁ・・・気の毒に思うから・・・僕の力で・・・少しは回復の力を・・・・」
「本類は濡れちゃったから、ハンカチで乾かして、知り合いに頼んで使っていない
フリーザに入れてあるから・・・・・」
「ん??フリーザ何でですか?フリーザの中は乾燥するだろ?その原理を応用するんだよ・・・まぁ騙されたと思い・・・・・」
「はぁ・・・・」
「あと・・・・僕の知り合いの・・・・助手を呼んであるから・・・」
「助手とは・・・あんまりですね、前山田先輩・・・・弟子と言って貰いたいですね・・・」
ボーイッシュな顔立ちで雄飛と背丈の似た、赤いライダースを着た人が工具箱を
持って立っていた。
「悪いね・・・」
「こちら・・・・鳩マスター・・・君と同じ1年生だ・・・・名前は?」
「高瀬雄飛です・・・・」
「私は・・・・・工学部の綾瀬カレン」
「女・・・・???」
カレンは整った顔を高瀬に向け、目が合うと、雄飛は顔を赤らめて下を見た。
「変な人だなぁ・・・高瀬さん・・・」
前山田は2人にやりとりを見ながら、ニヤニヤしていた。
「で・・・・早速なんだけど、彼のパソコン、水没してさ・・・・・」
「バッテリー抜いて乾かさないで電源入れるとか・・・・無いわぁ・・・・・HDD
も無事かどうか・・・・」
そうこれが、前山田先輩と、綾瀬カレンとの出会いであり、僕が入る、面白研究部のとの
出会いであった。
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