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第二話 死神のワルツ
雄飛と前山田が出会ったのは、大学に入学して、入りたいサークルが沢山あったが
異性との距離が上手くつかめなく、体験入部ばかりを繰り返し、気持ちが落ち込んだ
5月の半ばの頃だった。
文学部キャンパスの中庭の噴水を見ながら、現実と希望のキャンパスライフの違いに
思い悩んで、売店で買ったスナック菓子を口に運ぶが、端から地面に落ちている。
遠い目をしながら、日向ぼっこをするお爺ちゃんみたいに小さく丸まっていた。
「眼鏡の君・・・・・・」
全身黒の出で立ちで、青白い顔をした天然パーマの男が雄飛に向かって来る。
初め、何か解らずに、生気の無い顔をする雄飛は、相手がまるで死神の様に見えた。
この世界で、死神役を誰にするか、もし問われたら、必ず彼を推薦するだろうと思った。
雄飛は、急いで噴水から立ち去ろうする・・・
あまりの不気味さに、挙動不審になりながらリュックを置いて歩こうとする。
スナック菓子の開け口が逆さになり、大量のスナック菓子が地面に落ちた。
「し・・・・しにがみ・・・・」
雄飛は死神の容姿の彼と反対方向に向くと、追いつかれると感じ早足で校舎に入っていこうとする」
雄飛が走ろうとすると、雄飛が今ままでこぼしていたスナック菓子をねらってきた
数十羽の鳩が一斉に羽ばたいた。
バサバサ・・・・!!けたたましい音と、羽が舞い散る光景の奥から、死神の姿と
声がした・・・まるでこの世界では無いような光景。
「おい・・・君・・・・・鳩マスター!!」
「はぁ???」
拍子抜けの声が雄飛と口から漏れた。
「誰が・・・死神博士だ・・・・・」
まるで噛み合わない会話・・・・
「俺は、前山田槙・・・・面白い事やらないか??」
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