トンネルの向こう側

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授業が終わり、私は部活へと向かう。 私の名前は国宮あや、櫻坂高校2年。 部活は弓道部。 私は着替えると練習を始めた。 弓を打つ前に息を大きく吸って止める。 すると周りの音は消え、無になれる。 「あや、お疲れ?」 「お腹すいたねぇ」 この子たちは友達の神谷高子と柿谷美幸、同じ部活の同級生である。 「いつものハンバーガー屋さん行こうよ」 「うん、行こう」 高子たちと一緒にハンバーガー屋さんに向かう。 ふと、視界の端に光る何かが見えた。 見えた路地を見ると光る尻尾のようなものがちらっと見えたがすぐ物陰に隠れてしまった。 「あや、どうしたの?」 「あ、ごめんごめん」 私たちは注文を済ませ二階の席に座った。 いつものようにアニメの話や愚痴、恋バナで盛り上がる。 私は何気なしに外を見た。 すると淡く光る犬がウロウロとしていた。 野良犬だろうか、街に出るなんて今の日本じゃ考えられない。 しかも周りの人間は気づかないかのように平然と通り過ぎていく。 あんなに光っているし大きいのに気づかないわけがない。 じーっと見つめていると不意に犬と目が合った。 相手もこちらをじーっと見つめる。
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