月夜の手相占い

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「ええっ! 二股だったんですか? 彼女」 「ヒドイ……」  何故か彼女が悪者になっていたので、俺は慌てて手を振った。 「違ぇよ。俺が仕事を理由にほったらかしてただけ」 (そんなつもりは無かったんだけどな)  五十嵐が腕組みをして、うんうんと頷く。 「小山内さん、そんな感じありますもんね。男は仕事があるんだ、女は黙って俺に付いてこいみたいな」 「分かる、それ! 亭主関白っぽい」  なーと頷く山口たちに俺は苦笑した。 「俺のことはどーでも良いよ。お前たちこそ楽しい話はねぇのかよ」  山口が今度は藤枝に視線を移す。 「藤枝は三谷からアプローチされてるんだろ?」
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