三夜目

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―――…翌日。 吉臣は物忌みの為、出仕を控えていた。 庭に面した簀子の上で、片膝を立てた形で座している。 立てた膝の上に絡めた指を置き、頬を乗せている。 その瞳は閉じられ、口元には微かな笑みが灯っていた。 何か、幸せな夢でも見ているかのようだが、吉臣は眠っているわけではない。 綾子と過ごした、とある一日を思い返しているのだ。
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