第十八章「それぞれの想い」

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 警視庁を出ると、如月の予想通り早苗たちの姿があった。彼女は小夜の不在に気付くと、当然のごとくその理由を彼に尋ねた。 「ショックを受けている友人に、付き添ってあげたいそうだよ」  如月は簡潔に伝えると早苗は一瞬、訝しげな表情を浮かべた。だがそのあとすぐに「そっか……」と、いって納得した。 「警察の連中には何ていわれた?」  清水は気遣うように小声で尋ねた。  すると如月は苦笑いを浮かべながら「まあ、要約すると ”素人のガキが余計なことはするな” と、いった感じだったね」と、答えた。 「随分と手厳しいな」 「まあ、その程度の(そし)りを受けるのは覚悟のうえだよ。それに警察の連中がイラつくのも無理はないさ」  僕はどうしてあんな行動に出た? 彼女のことなんか、ほっとけばよかったじゃないか……。先程からの疑問が、如月の頭の中でグルグルと駆けめぐってゆく。クソッ……。彼が静かに奥歯を噛みしめた丁度その時、清水が微笑みながら口を開いた。 「お前らしいよ」 「僕らしい?」 「ああ、お前らしい」  僕らしいって一体なんだ? 如月が自問自答をしていると、清水はゆっくりと早苗に視線を移した。 「この後はどうする、ここで三島を待つか?」 「ううん。私らがここにいても意味ないし……」 「まあ、そうだな……じゃあ、帰るか」  清水はそういって如月の背中を軽く張ると、彼等はゆっくりと桜田門駅の方へと歩みを進めた。
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