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「えっ! どんな、どんな?」
「悪いけどR15だからキミにはいえない」
「ええっ! 教えて、教えて。気になって今夜眠れなくなるよー」
有紀はつかんでいたシャツを力任せに引っ張った。
ったく鬱陶しいな……。如月はそう思いつつ彼女に顔を向けた。
「キミ……なんか顔、赤くないか?」
如月は眉間にしわを寄せながら、有紀の顔を覗き込んだ。すると微かなアルコールの香りが、彼の鼻腔をくすぐってきた。
「もしかして……」
如月は小首を傾げながら有紀を見据えた。すると彼女はにこっと微笑みを浮かべると、次の瞬間いきなり彼の頬っぺたにキスをした。
「はい、チューしてあげたんだから教えて」
「おい。キミの可愛い後輩、酒飲んでるぞ」
如月は冷めた眼差しを早苗に向けると、彼女は驚きながら目を丸くさせた。
「ええっ! 嘘でしょ? いつの間にっ!」
「有紀、こんな時にお前なに考えてんだっ!」
「だって……小夜さん、死んじゃうんじゃないかと思って超怖かったんだもん」
有紀の瞳から大粒の涙が零れ落ちた。早苗は吐息を漏らすと、そんな彼女の頭に優しく手のひらを乗せた。
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