第十八章「それぞれの想い」

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「えっ! どんな、どんな?」 「悪いけどR15だからキミにはいえない」 「ええっ! 教えて、教えて。気になって今夜眠れなくなるよー」  有紀はつかんでいたシャツを力任せに引っ張った。  ったく鬱陶しいな……。如月はそう思いつつ彼女に顔を向けた。 「キミ……なんか顔、赤くないか?」  如月は眉間にしわを寄せながら、有紀の顔を覗き込んだ。すると微かなアルコールの香りが、彼の鼻腔をくすぐってきた。 「もしかして……」  如月は小首を傾げながら有紀を見据えた。すると彼女はにこっと微笑みを浮かべると、次の瞬間いきなり彼の頬っぺたにキスをした。 「はい、チューしてあげたんだから教えて」 「おい。キミの可愛い後輩、酒飲んでるぞ」  如月は冷めた眼差しを早苗に向けると、彼女は驚きながら目を丸くさせた。 「ええっ! 嘘でしょ? いつの間にっ!」 「有紀、こんな時にお前なに考えてんだっ!」 「だって……小夜さん、死んじゃうんじゃないかと思って超怖かったんだもん」  有紀の瞳から大粒の涙が零れ落ちた。早苗は吐息を漏らすと、そんな彼女の頭に優しく手のひらを乗せた。
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