第二十章「ひじきの思い出」

4/13
前へ
/535ページ
次へ
「放課後、この前オープンした二階堂駅前の書店にいくけど……」  如月がそういって小夜を見つめると、途端にその場の空気が止まり沈黙が流れだした。 「それって……もしかして誘ってくれてる?」 「まさか。どうせついて来るだろうから、先にいっといただけだよ」 「そう……じゃあ、しょうがないから(・・・・・・・・)ついていってあげる」    小夜は素っ気ない態度で、弁当のおかずに箸を伸ばした。すると如月は不機嫌そうに鼻を鳴らすと、止まっていた昼食を再開した。そんな二人を早苗は呆れ顔を作りながら、交互に見比べていた。  ヤバい……気を張ってないと自然と顔がゆるんでしまう。小夜はそう思いつつ、何食わぬ表情で淡々と昼食を続けた。
/535ページ

最初のコメントを投稿しよう!

787人が本棚に入れています
本棚に追加