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「さっきはありがとう」
「いいって、いいって」
小夜は下駄箱で靴を履き替えながら、片手をひらつかせた。そして詩織の手を取ると、昇降口のまえで佇む如月に顔を向けた。
「彼女もいい?」
小夜の問いかけに、彼は相変わらずの無表情で頷いた。
「ねえ、二人っきりじゃなくていいわけ?」
早苗は口元を手で覆いながら、小夜に耳打ちをした。
「まあ、行きがかり上、仕方ないっしょ」
「じゃあ、私も部活休みだし一緒にいこうかな」
「うん。おいで、おいで」
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