第二章「陰鬱な空と厄介なクラスメイト」

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「クラスメイトの如月君」 「っで、お前ら何やってんの?」 「お弁当食べてる」 「それは見りゃ分んだよ。俺が聞いてんのは、どうして他の男と机を向かい合わせにして、楽しそうに飯食ってんだ? ってことだよっ!」  鈴木の怒号が教室に響き渡った。だが小夜はそんなことはお構いなしとばかりに、いつもの微笑みを浮かべながらこう続けた。 「誰とお昼しようが私の自由でしょ」 「俺ら付き合ってんだろ? だったら――」 「えっ、そうなの? 私はそんなつもり全くなかったけど」  小夜は当たり前のようにいってのけた。すると見る見るうちに鈴木の顔が紅潮してゆく。だが彼女はそんなことは気にも留めずに、淡々と食事を続けた。   いたたまれなくなった鈴木は ”勝手にしろっ!” と、捨て台詞を吐くと、逃げるようにその場をあとにした。そして静まり返る教室――そんな中、小夜が静かに口を開いた。 「ほら、これで厄介ごとはなくなったよ。だからそんな怖い顔してないで、楽しくご飯食べようよ」 「怖い顔? 悪いけど、もとからこういう顔なんだ」 「こりゃ、失敬」 「それより良いのかい? さっきの人」 「いいの、いいの。正直、もう飽きちゃったし。だから今は如月君に夢中よ」  小夜はそう囁くと、悪戯っぽく片目を瞑った。
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