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第4夏 刻々と過ぎるサマータイム
僕は1年前に何があって、記憶を忘れたのかが未だに思い出せなかった。そして、もう1つ大事なことを忘れている気がする。
零華「そういえば、零蔭君の親はどうして亡くなってしまったの?」
零蔭「警察に捕らえられて、処刑されてしまったらしいんだ…」
零華「私の親とは違って、悲しい別れ方ね…」
零蔭「あぁ、なんで処刑されたのかはわからないんだ。僕は処刑された理由が知りたいんだ」
零華「私が作った魔法、『タイムマジック』があれば過去の真実を知ることができるよ…ただ、人によっては辛い過去を知ることになるから、それを受け入れる覚悟が必要なの」
僕は驚いた。
なんと、零華は魔法使いだったのだ!
タイムマジックという過去や未来を見ることができる魔法を使えるらしい。
零華「過去や未来を見ることはできるけれど、変えることができないから、真実を知ることしかできないの…。私は使ったことがないから詳しいことはわからないんだけど、副作用があるらしいの」
零蔭「どんな副作用なの?」
零華「あんまり詳しいことはわからないけれど、多分もうタイムマジックを使用することができなくなるんだと思う」
零蔭「タイムマジックを使用するかしないかは、零華の意思で決めてくれ…」
零華「私も実はタイムマジックを使って知りたい過去があるの。なんで、両親は私を森に捨てたのか。本当はこれを知るためにタイムマジックを作ったの」
もう気づいたら夕方の5時だった。
2人で過ごした時間は長いようで短く、止まることのない時間と止まったままの2人の過去が交差し、ビートを刻んでいた。
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