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最終夏 打ち上げ花火
もう夜の10時だった。
僕は帰ろうとした。
その時、僕は具合が急に悪くなった。
零蔭「ウッウウゥ、この症状は1年前にも起こったことがある…」
零華「零蔭君!大丈夫!?」
僕はここで大事なことを思い出した。
零蔭「ごめん、零華…今日が僕の最後の日だ…。僕は恐怖の病『デロドラン病』にかかっていたんだ…」
零華「デロドラン病…聞いたことがある。発作を起こして、直前の記憶を無くし、直後の記憶力を急激に低下させ、近いうちに命を奪う恐怖の病」
零蔭「そうだ…僕はその病の発作で、去年の8月5日に倒れたんだ…」
零華「だから、記憶を…」
零蔭「医師が、余命はあと1年って言ってた気がするんだ。だから、今日がその日なのかも…」
零蔭はデロドラン病にかかっていて、救いようがない状態になっていた。
その時、零華も具合が悪くなった。
零華「タイムマジックの副作用で体が…きっと、命が無くなる副作用なのよ…」
零蔭「零華大丈夫か…」
なんとタイムマジックの副作用は命の消費であった。2人とももうすぐ1年が尽きてしまう。
その時、僕の脳内に1つの案が思い浮かんだ。
零蔭「零華、2人で抱き合って最期を迎えようよ…」
零華「ずっとそばにいるって約束したからね…死んだとしても必ず一緒だよ…」
2人「生きててよかった!死後の世界でもずっと一緒!」
2111年 8月5日 23時59分に2人は亡くなった。
2人の死と同時に打ち上げ花火が上がった。
その打ち上げ花火は2人の出会いと別れを美しく表しているように見えた。
完結
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