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平成元年(1989年)に高知県の山中で実際に起こった出来事である。
その夜、大学生の彼女は彼氏の車でドライブを楽しんでいた。
高知県は鰹のたたきなどの海鮮料理が有名であることからも、海に面したイメージがある。
しかし、実際は県の面積の多くを山地が占めていた。
そのためか山間部の道路事情は悪く、国道でも1車線がほとんどだった。
必然的に事故も多発し、国道197号線は地元の人たちからは通称、“行くな街道”と呼ばれるほどだった。
「何か、暗いし気持ち悪いね」
「うん。この道、交通事故が多いんだよな」
山頂から眼下に広がる夜景を2人で見に来たのだが、なかなか駐車できるいい場所がない。
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