落女

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しかも、山道の1車線で対向車もなく、後続車も1台もいない。 街灯もないため明かりは車のライトだけが頼りだった。 いい加減、場所探しも諦めようか?2人がそう思い始めた時だった。 「危ない!!」 誰もいないはずのライトの前方に、白い人影がスッと横切ったのだ。 彼氏は慌てて急ブレーキを踏む。 車は急停車し、2人は人を跳ねたのではないかと、急いで車の外に出た。 人が倒れているのではないか、と周辺を見回すが誰もいない。 ただ、前方のガードレールがそこで切れていた。その向こうは急な崖である。 そして、そのガードレールの下に花が手向けられていた。 「あのまま気づかずに走っていたら、車はここから落ちていたかもね……」 「うん。あの幽霊が教えてくれたんだよ」
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