28人が本棚に入れています
本棚に追加
しかも、山道の1車線で対向車もなく、後続車も1台もいない。
街灯もないため明かりは車のライトだけが頼りだった。
いい加減、場所探しも諦めようか?2人がそう思い始めた時だった。
「危ない!!」
誰もいないはずのライトの前方に、白い人影がスッと横切ったのだ。
彼氏は慌てて急ブレーキを踏む。
車は急停車し、2人は人を跳ねたのではないかと、急いで車の外に出た。
人が倒れているのではないか、と周辺を見回すが誰もいない。
ただ、前方のガードレールがそこで切れていた。その向こうは急な崖である。
そして、そのガードレールの下に花が手向けられていた。
「あのまま気づかずに走っていたら、車はここから落ちていたかもね……」
「うん。あの幽霊が教えてくれたんだよ」
最初のコメントを投稿しよう!