夢の時代

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『そうだ、地下鉄に乗って世界旅行に出かけよう!』 世界があわや第三次世界大戦に突入仕掛けてからわずか四半世紀、人類は恒久的な平和への道を順調に歩み続けていた。 世界は一つだと誰もが認識する時代。 中東の石油は枯渇したものの新たな油田の開発に、リサイクルや石油を必要としない技術の登場はエネルギーや資源の枯渇への憂いを取り払う。 太陽光、風、海の波。あらゆるクリーンエネルギーの利用は人類の発展を強烈に促し、世界的に見られた貧富の問題も解消に向かい、文盲率が減り識字率が上がるにつれ人々はより平和にエレガントに洗練された生活を追い求めた。 そんな中で流行り始めたのが世界を股に掛けた旅行だ。 自分の肌で直に世界中の事を知りたいと渇望する人々は、慢性的なパイロットの不足と空の渋滞、幾ら作っても足りない大型客船に焦れて世界を繋ぐ道を地下へ求めたのである。 大地は一つだと。海の下にも地面はあるのだと。 フナムシを参考に開発されたシールド工法を、より発展させ進化した掘削法による交通網。 全システム人工知能での自動運転制御による超々高速リニアの登場。天候に左右されず、揺れもなく、安全快適低コストに、人や物資を、笑顔を、更なる平和と人類の発展を運ぶ地下鉄。
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