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もしも王子様系男子と言えば、どんな姿を思い浮かべますか。
キラキラ、博愛主義などではないだろうか。
そして子を取ってみよう、王様系となる。
そうなるとイメージがガラリと変わる感じがすると思う。傲慢、唯一独尊などが思いつく。
本当にこういう存在は害悪である。
自分の振り回せる権力というものを知っているからこそ厄介なのである。
多分、横暴な彼は本気で自分の中心に地球が回っていると信じているのであろう。
「おい」
片耳から何か聞こえた気がするが気のせいである。
まぁ王様系をなぜこんなにも力説しているのかは、簡単な話、近くに......
「おい、テメエ。イヤホンつけて聞こえないふりをするな。」
イヤホンを無理矢理はずされ、心の中で舌打ちをする。
「あははは、スミマセン先輩。本当に聞こえなかったですよ。」
さっきから力説しているのは目の前に立つ男のことである。
こいつに電車の中ぐらい黙ってくれと言いたいのだが、何を言おう学校が一緒で一年上の先輩である。
これから駅から学校まで同じ方向を歩かないといけない。
ここで拗ねてもらうと後あと厄介なことになるので言ってはいけない。
「ふん、まぁいい。 お前は昼どうするんだ。」
どうするって昼飯は食べますけど。
とぼけても、昼飯誘いだと分かっている。朝、散々付き合っているのだから昼は勘弁してほしい。
「えーと用事があって、昼は忙しいですかね。」
「そんなもの断れ。俺と昼飯食うぞ。」
「えっと先生との大事な用事でして」
「俺よりか......。誰だその先生は俺が今から電話して予定を変えてやる。」
眉をひそめて携帯電話を取り出し始め、俺は急いでその手を止める。
「あれー☆先生から今日はもういいってメールがきてる。先輩と一緒にお昼たべましょう。」
「そうか。ならいい。」
携帯電話をとるのをやめ、ご満足そうな顔。
そして、嫌なものに懐かれたと途方にくれる俺がそこにいた。
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