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プロローグ
昔からぬいぐるみやお人形遊びが好きだった。
赤や青より、ピンクや水色が好きだった。
チャンバラよりもおままごとが好きだったし、外で駆け回るよりお絵かきするのが大好きだった。
僕の部屋には可愛いもので溢れていた。
いつからか、周りに人がいなくなった。
ママに聞いても、パパに聞いても答えてはくれなかった。
成長するにつれてなんとなく分かってきた。
僕がいつまでもぬいぐるみや、おままごとが好きなのはおかしいこと。
他の子達と違うのはだめなこと。
いつの間にかママとパパがおこっているときが増えた。
パパもママも僕を見なくなっていった。
部屋から出られなくなって、人の目が怖くなった。
それでも好きなものを捨てられなかった。
何も変わらないまま時間だけが過ぎていった。
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