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当時、私の知っている霊園といえば祖父が眠る墓地だけだったのだが、そこと比べると随分と手入れもされず放置されたような印象を受けた。
自然のままの状態と言ってしまってもいいだろう、小さな山のような墓地だった。
それでも入口付近には、大きな石造りの墓が並び、墓地の体を成していたのだが・・・・・・。
「この細い山道登っていくんだよな」
「スニーカー履いてきてよかった」
父が先導し、言葉通り山の中のような、鬱蒼と生い茂る草木に囲まれた細い道を登る。
道は補整されておらず、柔らかい土のままだった。
「パパ、こんな所にお墓あるの?」
私の質問に父は前方を指差した。
「ほら、あれもお墓なんだよ?」
見ると、お化け屋敷でしか見た事のないような、細い木の板の墓標が幾つか並んでいた。
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