『ただいま・・・・・・』

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『ただいま・・・・・・』

祖父が亡くなったのは、私が小学二年生の初夏だった。 肺癌を患い、長い入院生活の末に息を引き取った。 祖父に付き添い病院で寝泊まりしていた祖母を真夜中に起こし、水を飲ませてもらった直後の出来事だったそうだ。 生前は両親と共に頻繁にお見舞いに連れていってもらった。 というのも、母方の祖父母とは同じ家で暮らし、特に祖父は内気な私の遊び相手だったからだ。 家族の誰に聞いても、私はおじいちゃん子だったと口を揃えて言う。 私に甘い祖父はよく母に叱られており、子供ながらに申し訳なさを感じたりしていたのだが。 祖父の容体が急変したのは、運動会が終わった日の真夜中、午前二時頃である。 「なっちゃん、病院から電話が来てね。おじいちゃんの病気が悪くなったって」 両親に起こされた私は、車に乗せられ祖父の元へと向かった。
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