『ただいま・・・・・・』

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それから。 自宅へと戻ってきた祖父。 和室の奥で、綺麗に整えられ寝かされた姿。 「じいちゃん、やっと帰って来れたなあ・・・・・・!」 涙声で祖父に話し掛ける父を見て、悲しい気持ちが一層膨らんだ。 通夜と葬式は近くの会館で行った。 近しい親戚が集まり、祖父の生前の話や病床の様子などが話されていた。 ふと母が、私の方を見やり寂しげな笑顔で呟く。 「でも、おじいちゃん・・・・・・なっちゃんの運動会が終わるまで待ってたみたいだね」 運動会が楽しみだと、お見舞いの時に話していた私。 「なっちゃんのこと想って、頑張ってたんじゃないかな」 親戚の叔父が私の肩にポンと手を置く。 棺桶に視線を移す。 祖父の形はまだそこにあるのに、もう会うことも出来ないのだ。
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