『カラオケ店に棲む亡霊』

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私達はテーブルを挟み向かい合わせに座ると、思い思いに選曲しカラオケを楽しんだ。 歌い終わると、ドリンクを飲みながらお喋りをする。 カラオケが流れていない間は有線放送が代わりに流れ、流行りの歌や聞き覚えのある曲が耳に入ってきた。 やがて、何曲か歌い終わり、有線放送を聞きながら友人と話していた時のこと。 それは何の前触れも無く、突然起こった。 「それで、先生が・・・・・・ーー」 「ん?ナギサ、どうしたの?」 「・・・・・・ねえ。何か変じゃない?この有線」 「有線?」 二人でスピーカーから聞こえる音に耳をすます。 ーー・・・・・・ゥウウ・・・・・・ァアアアァアア・・・・・・ 「え!?何これ、気持ち悪い・・・・・・!」 リナはその音に顔をしかめた。 男の低い呻き声のような音が、スピーカーから響いていたのだ。
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