『カラオケ店に棲む亡霊』

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それを見た刹那、さらなる恐怖が私達を襲う。 「何で!?揺れてる・・・・・・っ!ソファが・・・・・・!!」 「もういやだぁ・・・・・・!!早く・・・・・・逃げよう!」 座っていた椅子がガタガタと揺れ動く。 信じられないが、大地震でも起こったかのように、立ち上がろうとする私達を阻んできた。 それでも何とかドアの前に辿り着き、ノブに飛びついた。 ・・・・・・が。 「開かない!!ナギサ、ドアが・・・・・・!」 「かして!」 ガチャガチャとノブを動かし、涙声で必死に訴えるリナ。 私も一緒にノブに手を掛け開けようとするが、びくともしない。 間違いなく、押して開けるタイプのドアなのだが。 ーーゥウゥウウ・・・・・・アァアアァアアア・・・・・・!!! 背後に感じる、呻く男のおぞましい気配。 ゾクリと背筋が凍りついたその瞬間ーー 「開いた・・・・・・!!」 「行こう、リナ!」 私達は転がるように部屋を飛び出した。
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