アーケード商店街の電飾看板

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強くもなく弱くもない雨が降っていた夜。 帰宅が遅くなってしまった私は、足早に歩いていました。 少しでも早く、家に帰りたくて。 無人駅というわけではなかったけど、大きな駅から少し離れた駅では降りる人はそんなにいませんでした。 そのため、大通りを挟んで駅の向かい側にあるアーケード商店街には、歩いている人はいなかったのです。 昼間は近所の人たちが買い物をするために行き来するアーケード商店街には、小さなスーパーや喫茶店などが軒を連ねています。 しかし、時間が遅くなってしまったため、閉まっている店ばかりでした。 明かりといえば、気持ちほど据え付けられた電灯がほのかな光を放っているだけ。 そのせいなのか、普段は気にならない通り慣れた場所なのに、何だか全然知らない場所にいるような錯覚に陥ってきました。 私は次第に落ち着きを失っていったのです。
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