計画と引き金

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「これは・・・!?」 ノーティは真っ白い部屋で、モニターらしきものに映し出される映像を見て驚愕していた (随分とメルヘンチックな攻撃だな!! くそっ!!) このやりとりは、もうすでに3度目である 何もない虚空に向けて、斧を振り続けている そして意識をなくし倒れ、起き上がってはまた同じことを繰り返していた (うらぁ!!) (フンッ!!) 戦い続けている、2人のフューズ (帰るぞっ!!皆!!) そしてアランにいたっては理解すらできない 何もない空間で、1人何かと共に帰ろうとしているではないか 同じことを繰り返し続けるゴイル 偽物の自分と戦い続けるフューズ そして、自らが信じた仲間と共に平和な世界に身を投じようとしているアラン 「一体・・・何がどうなっているというの!?」 『何じゃ・・・貴様が当たりか? 確か名はノーティ・・・じゃったな?』 「あなたは・・・!」 振り返るとナノが椅子に座り、カップで何かを飲んでいた 『ここに来た者は当たりじゃ ここでは仲間の愚行を見ることができる 恭介の粋なはからいじゃ、感謝せい』 「ふざけないで!! 一体彼らに何をしたのですか!」 『足止めじゃ ゴイルには訳もわからず死ぬまで同じことを延々と繰り返す、そんな部屋を用意した ・・・頭の中でな 奴は幻覚を見ておる、そして脳みそがはち切れれば死ぬ』 「そんな・・・」 『フューズも同じく幻覚の類じゃな ただし、少しだけ奴の自我が残っておる 奴は自分で自分の幻像を作り出したのじゃ 自分が持つイメージで作り出された偽物・・・ しかし全く同じ強さの自分を作り出し、決して終わらない戦いを続ける 滑稽じゃろう?』 ノーティはもう声が出ない
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