計画と引き金

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『極めつけはアランじゃなぁ 奴め、面白過ぎるわ! あの部屋は持ち主の心の中の最も美しい世界を具現化する まぁ、同じく頭の中でじゃがな そして、さもそれが現実で起きてるかのように錯覚させる しかし、もしもそのイメージに心を奪われ自らを見失うと一生戻っては来ない 自らが作り出した世界にすがりつき 正気にはもどらな・・・』 「うあああ!!」 『人の話は最後まで聞くもんじゃよ?』 ノーティは話に重ねるように、持っていた杖をふるう しかし、ナノはどこから取り出したのか、短剣でいとも簡単に防ぎはじいてしまう 『貴様では私には触れんよ 後は時間が全て解決してくれる 時間稼ぎと言うたが、これで終わりかのぉ?』 「そんなに甘くはないぞ・・・」 『む?』 「魔王!!」 そう、転移によって突如現れた恭介がナノの肩を抱くようにして立っていた 『やっと来たか 遅いわ馬鹿者』 「俺だって忙しいのさ それにしても、奴らはあれでも勇者のパーティ様だ絶対出てくるよ 最後の最後で俺にはまだやることがあった! とか、俺の力はこんなもんじゃない!とか言ってさ そんな茶番に付き合うのはうんざりだから出してやるよ」 『よいのか?』 「あぁ・・・元々は俺が来るまでの時間稼ぎだろ?」 「魔王・・・あなたは、今ここで殺します!」 ノーティが杖を構えると同時に、魔力が凄まじい勢いで高まっていく 「いけねーな・・・聖職者の方がそんなこと言ったら バチが当たるぜ?さぁ俺の城から出ていきな」 恭介が指を鳴らすと急に空間がゆがみだす モニターも消えてしまった 「あぁっ!」 「心配するなよすぐ会えるさ 奴等にも・・・俺にも」 その瞬間、ノーティの腹部に鈍い痛みが広がるのを感じた それと同時にノーティは意識を失った
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