計画と引き金

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『それは・・・』 「だが、そんなことは不可能だ!! 生き物は不平等! 選ばれた者しかそうはなれない! 努力が足りないとあざ笑うか・・・? 努力できることがそもそも才能なのだ! 努力できる環境があることがすでに幸福なのだ! だからこそ、人々は2つの生き方を選択する 少しでも奴に近づくために、信頼し信頼され、仲間となり、協力しあい、共に近くで生きていくか 俺達のように、プライドや自分の少しの気持ちを守るために自分を保ち続けるために 真っ向から否定するか! 俺達はあいつを否定したんだ! 近づいていった奴は、もしかしたら勇者になれるのかもしれない・・・ だが、俺達は否定した・・・あいつにはなれないと諦めたから・・・ だから、俺達は決してヒーローにも勇者にもなれない! だったら最後まで否定し続けるしかない! 否定する以外何もできないんだよ!」 その涼しい表情を浮かべ続けた顔を真っ赤にし、声を張り上げる 恭介の本音、恭介の気持ち、それがナノの心にぶつかってくる 「だがな・・・ナノ 俺はチャンスを手に入れた・・・ 魔王の力というハイスペックを手にした 今まで自分じゃ何も変わらなかった・・・ 成功者に努力しろと言われ続けた 努力せずに成功した奴に限ってそういうとを言いやがる! だが、たった他人の力を貰っただけでそんな奴らを追い詰めてきた やっと、ここまで来たんだ!! ただ他力本願に貰った力を、アイナスの力を駆使してここまで来た! そのことに恥も何もない!!ここまで来れたんだ! お前の力を取り戻す・・・ それは保証する、だが! 俺のやり方を邪魔させるわけにはいかない!! ナノ、お前の願いだったとしてもなぁ!!」 『恭介・・・』 「もうすぐだ・・・もうすぐ終わる・・・ 勇者という存在を殺し・・・そして アランを殺す!!」
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