計画と引き金

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「見ろよ・・・アラン」 「・・・!?」 アランは絶句する 疑わしきところはあったが、人間側として戦争を引き起こしたラングレス裏切り者だった それどころか誰の味方でもなかったのだ 「ハハハハハハっ! 見ろよ、このざまを お前が守りたかったもののトップは! 自分の事しか考えていない! 平和も何も関係ない! 自分の地位と、自分が楽して生きていく世界があればいい そんな奴なんだよ! 立場が違う!場所が!人種が! 言葉が!見た目が!たったそれだけ違うだけで皆本質は一緒だ それがお前の守りたかったものだよ!」 「俺の守りたい・・・もの」 恭介はアランに近づき、そして映像に向けて話しかける 「ラングレス!気分はどうだ?」 (その声は・・・魔王ですか・・・ してやられましたね・・・ しかし、なぜ私を刺したのですか・・・?) アラン達にも声が聞こえる 「おやおや? 俺がまさかお前の思惑に気づかなかったとでも? たしかに、この戦争を指示したのはこの俺だ」 「な、なんだと!?」 アランは想像し得なかった事実に驚く 「ふふ、ラングレスに言ってあったのさ 俺が、精霊界へ行った際にこの城を攻めさせること それは、準場を万端にしお前達をお出迎えするため お前達はこの戦いが始まってからずっと後手に回り続けているだろう?」 「・・・そんな!?」 「不意打ちでもなんでもなかったんだよ!! てめえらの攻撃なんてな!」 (その通り・・・ 私はその言いつけを守った・・・) 「だが、もう1つの思惑があったのさ」 「もう1つの思惑?」 「こいつはな、俺とお前の直接戦闘を望んだ そうすれば、必ずどちらかが大きなダメージを負う 砂漠の戦闘がまさにそれ 呼びもしてなかった、アラン、アイズといった邪魔を入れやがったのさ」 「そんな・・・」 「気づいてなかったのか? 意識が戻ったばかりのお前の頭に、魔力を流し無意識のうちあの砂漠へ向かわせたのさ! そしてお前は俺たちを見て戦闘を開始したというわけさ」
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