計画と引き金

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「はぁ・・・ぐぅ・・・はぁ・・・」 「ぐぁ・・・ゴフッ・・・」 二人は既にボロボロだ 拮抗した力が全力でぶつかり合う、そこに打算は存在しない ゆえに消耗が激しいのだ 「やるな・・・アイズ!!」 「まだ・・・まだぁ!」 ゲイルとオーズはにやりと笑った お互いの力を認め合うように、自分の全力をぶつけ合うに値するのだと目で訴えるように 「うおおおおお!!」 「ああああああ!!」 「・・・クソどもが」 そんな2人の頭上から何者かの斬撃が降り注いだ 「ぐあああっ!!」 「ごあああっ!!」 二人の間に何かが落ちる 何かは煙をあげながら、さらに二人を吹き飛ばした 煙の中から声が聞こえる 「なんなんだよ・・・ お前らは・・・ 殺しあえよ、もっとちゃんとよ」 「お、お前は・・・」 「イライラするんだよ・・・」 「「ライル!?」」 2人の間に乱入したその男は、恭介によって心を折られ再起不能と思われていたライルだった 「ライル・・・!? お前、どうしてここに!どうやって来たんだ!! もう大丈夫なのか!?」 アイズは突然の来訪者に戸惑いを隠せない 「貴様・・・! 今更何をしに来た・・・! 邪魔する気か!!」 ライルは無表情でだらっとゲイルに近づく 「・・・お前らさぁ 」 「ゴハァ!!」 ライルはゲイルを渾身の力でアイズの方に蹴り飛ばした メキメキという骨の軋む音が響く ゲイルはアイズの足元に転がっていく 「ゲイルとか言ったっけ・・・? お前ほんとに魔王軍か? 強い敵と出会って嬉しくなって、ライバルみたいに振る舞って・・・ まるでヒーローだな」 ライルは口の端を吊り上げて笑った 「ぐぅ・・・」 「ライル・・・一体どうしたんだ!」 「お前もだ!アイズ! 半魔法なんて中途半端のくせに・・・ 人間を守りたいとほざきながら、その足元で寝ている魔族をなぜ攻撃しない!」 「それはっ・・・!?」 「所詮その程度なんだよ・・・てめえらの気持ちなんてよ・・・ きらきらしやがって・・・希望に溢れた顔しやがって・・・ 全部・・・全部壊してやる!!」
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