計画と引き金

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「ライルじゃないか!? ライル!ライル!!」 「聞こえねえよ、てめえの声なんてな」 アランは、突如モニターに現れたライルに釘付けになっていた 「此の期に及んで・・・ライルに何をした!」 「あいつはな・・・俺との戦いで俺への恐怖と死の恐怖を味わい自我が壊れた そんときについでに脳に魔法をかけておいたんだ 人は心の傷でも、体の傷でも時間がたてば回復する生き物だ あいつも少しずつ回復はしていた 本人は気づかなかったみたいだがな そして、今このタイミングで動いてもらうために、脳に魔力で刺激を与えた あいつに1つの感情に近いものを与えたんだ そしてやつはそれを糧に動き出してくれた」 「感情に近いもの・・・?」 (きらきらしやがって・・・ 全部・・・全部壊してやる!) 「まさか・・・!?」 「はははは・・・ご名答かな? 奴に与えたもの、それは【嫉妬心】さ あいつは今嫉妬の渦の中にいる どうして自分だけこんな目に・・・ どうしてお前らはこんなに楽しそうに・・・ どうしてそんなに恵まれている・・・ 今あいつは自分のことを過小評価している いや、過小評価なんて言葉じゃすまないほどかもな 今のライルにとってあの二人はかなりイラつく存在なのさ 本来殺しあうべき二人が、楽しそうにお互いの実力を認め まどろっこしく戦っているんだから」 「ライル・・・!」 「見ていて面白いだろ? そして、いきなり出てきたライルにアイズとゲイルはやられるのさ」 「ゲイルも・・・!? 一体何を考えている!仲間じゃないのか!?」 「はははは・・・あいつは俺ら側じゃない お前ら側の生き物だ それに、もう正直用無しだからな お前らが無事に生き残れたらお前らにやるよ」 恭介は笑いながら話す アランは恭介に対して言いようのないどす黒い感情が生まれた 恭介を恐ろしい形相で睨んでいた 恭介はそれを満足そうに見ていた
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