計画と引き金

34/49
前へ
/366ページ
次へ
「はぁ・・・」 ライルはうなだれたように脱力する その手には剣が握られ魔力が集まっている 「ライル・・・!」 「貴様・・・!」 「なんだよ・・・ 俺は自分の騎士団を、国を、人民を守るために全て捨ててきたんだぞ・・・ 自分の時間・・・ 休息・・・金・・・女・・・酒・・・ 全ては平和のためだってな だがそれは間違いだった 騎士団のために自分を犠牲にしている そんな自分のことをかっこいいと思っていた それだけだった だがらそんなことはなかったんだ ただ辛いだけ・・・幸せを手放しただけ 今まで騎士団のする仕事はアランが横取りしていった 俺達が事件を調べ、原因をつきとめ 戦い・・・そして危なくなったとき アランが来てめでたしめでたし 俺達は街ではいらない存在だと陰で言われることすらある あいつさえいなければ・・・」 ライルは自分のことを話しながら昔のことを思いだし言葉をつなぐ まるで子供が自分の怒りの矛先を悪口を言いながらどんどん変えていくように ライルはもはや自分の心を抑えることができない 自分の抑制ができないのだ 「ライル・・・何が目的なんだ? 何か理由があるんだろ!?」 「俺の・・・目的? 理由・・・? わかんないな・・・そんなもん だが、なんでかな 俺はお前らを・・・殺したくてたまらない!!」 「なんなんだ・・・この野郎は・・・!?」 「今のライルを動かしているもの おそらくそれは嫉妬心だ!」 「嫉妬!? そんなもんでああなるわけないだろう!! 気でも狂ったか犬っころめ!」 「いや間違いない あいつは今自分のことを過小評価しているようだ さらには回りのもが全てきらきらして見えている それが目障りなんだ、だから俺らを殺そうとしてる!」 「・・・超自己中じゃん」 「[魔神剣狂魔死滅斬]」 ライルは剣を鞘に納めて構える 「自己中とか言ってる場合じゃないぞ あいつの剣技は本物だ やつの抜刀術は一瞬たりとも目を離しちゃいけない! 目を離した瞬間、首が胴から離れるぞ!」 「くそが!! ガアアアアアアアア!!」 「ウオアアアアアアア!」 三人の魔力は凄まじいスピードで上がっていく
/366ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1033人が本棚に入れています
本棚に追加